皆さん、この「僕だけがいない街」と言う作品をご存じでしょうか?
本作は、北海道出身の男性漫画家・三部けい(さんべ けい)先生によって描かれたサスペンス漫画です。
単行本の出版は2012年から2016年まででしたが、漫画大賞やこの漫画がすごい!(オトコ編)にて2014~2016年まで3年連続ランクインしたという大ヒット作品なのです。
その柔らかい絵柄とは裏腹に、ドロドロとした登場人物設定や数々の伏線、先の見えない展開で多くの漫画ファンを魅了しました。
そして、その勢いのまま2016年からはアニメ化もされ、時を同じくして実写映画化もされました。
この実写映画なのですが、全8巻で完結を迎える本作の2巻が発売する前から決まっていたのだそう。
それだけ発売初期から注目されていた漫画ということですね。
その後、2017年には3度目の映像化である全12話のNetflixドラマ版も製作されており、その原作ストーリーや設定がかなり高く評価されている事がわかります。
そして最も注目すべきは「アニメ版、映画版、ドラマ版のすべての結末が異なっている」こと。
アニメ版はほぼ原作漫画と同様の結末を迎えるのですが、原作未完のまま制作された映画版は特に異なった結末を迎える事になります。
今回は、そんな「僕だけがいない街」のあらすじと魅力を紹介しながら、複雑な登場人物や真犯人の伏線をできるだけわかりやすく整理していこうと思います!
また、アニメ版、映画版、ドラマ版の違いも完全ネタバレなしで紹介!
原作漫画と比べてみるのも面白いと思いますので、視聴前にこの記事が参考になればうれしいです。
僕だけがいない街 作品のあらすじ&魅力を紹介!
画像出典:『僕だけがいない街』|『KADOKAWA』公式サイト
東京で売れない漫画家として生活する主人公・藤沼悟(ふじぬま さとる)は、アルバイトとしてピザ屋で働く日々を送っている30歳手前の男性です。
そんなある日、ピザの配達中に横断歩道を渡ろうとする子供が事故にあうことを予期し、未然に防ぐことになります。
そんな彼の特殊能力は、事件や事故などの「よくないこと」が起きる直前に何度もタイムリープし、よくないことが防がれるまで何度もタイムリープを繰り返すというもの。
これを彼は「再上映(リバイバル)」と呼び、そのよくないことが防がれても自分が犠牲になるような結果をもたらすことが多いため、その能力に不満を持っていました。
今回も例にもれず、子供を助ける事ができたものの、自分が車にはねられてしまい入院することに。
入院中の彼の様子を見にやって来たのはピザ屋の同僚で女子高生の片桐愛梨(かたぎり あいり)でした。
彼女は彼の行動を目撃し、子供が無事だったことを伝え、悟を見直したと言います。
そして、事故の知らせを聞きつけて上京した悟の母・藤沼佐知子(ふじぬま さちこ)と悟のアパートで暮らすことに。
そんな生活が続いたある日、佐知子は偶然にも1988年に親子で暮らした北海道で起きた連続殺人事件の真犯人と思われる人物を目撃してしまいます。
その記憶を悟に伝えようとする佐知子でしたが、何者かに殺されてしまうのでした。
悟はアパートで佐知子の遺体を目にし、佐知子の殺害前にタイムリープしようと強く念じると、なぜか18年前の1988年に戻ってしまいます。
そこで悟が思い出した記憶は、18年前にクラスメイトである雛月加代(ひなづき かよ)と杉田広美(すぎた ひろみ)が殺害された事件です。
当時小学生だった悟は、警察に相手にされず悔しい思いをしてしたのです。
おそらく母・佐知子と同級生2人を殺害した真犯人は同一人物であると考え、このタイムリープで同級生と母親を救い出す事を心に決めるのでした。
果たして小学生となった悟は同級生、そして母親を救うことができるのか?
そして真犯人を追い詰める事ができるのか?
様々な伏線や何気ないヒントから徐々に物語の真相が明らかになっていく極上のサスペンスミステリー漫画です。
本作の魅力
やはり、悟の能力である「再上映(リバイバル)」の能力です。
このリバイバルは基本的に自身でコントロールすることができないため、なぜその時代に戻ったのかを考えて行動しなければなりません。
本作では何度か現在と過去を行き来し、少しずつ物語の真相が明らかになっていくワクワク感が魅力です。
片方が上手くいったとしてももう片方が上手くいかない・・・。
そんなジレンマの中迎える最終回は圧巻の一言!
是非皆さんにも体験していただきたいです。
そして、虐待や報道の闇など、社会的なメッセージが込められた作品でもあり、子供から大人まで非常に味わい深く楽しめる作品となっています。
複雑な時系列&登場人物を紹介! わかりやすい相関図のリンクもあり!
画像出典:『僕だけがいない街』|『KADOKAWA』公式サイト
本作は以上の主な登場人物によって進んでいきます。
しかし、物語が進むにつれ、時系列が複雑に入り乱れたり、登場人物の運命や立ち位置がリバイバルによって変化していき、混乱することもあるでしょう。
そこで、物語を整理しながら観ていくうえで役立つのがコチラ。
これは、アニメ版「僕だけがいない街」の登場人物紹介ページなのですが、下にある「人物相関図」が非常に優れモノなんです!
各話に合わせた時系列だけでなく、登場人物の関係性などが一目でわかるもので、漫画版であっても登場人物に大きな違いはないので頭の中を整理しながら物語を読み進める事ができると思います。
もちろん、一部ネタバレになってしまうこともあるので、漫画の進み具合に応じてごらんになってみてくださいね!
ネタバレなし! 数々の伏線、衝撃の真犯人につながる伏線とは?
本作は何気ない登場人物の描写や、会話などが重要な伏線になっていきます。
始めに見た時には見逃してしまうものも、2回目に読んだときに「これが伏線だったのか!」と気づくことも多いのです。
今回は、そんな序盤の伏線をネタバレなしでいくつか紹介して行きます!
①1巻 第2話 「その母親は笑っていた・・・・そしてごみ袋の中に見覚えがある服が見えた。」
これは序盤の伏線で悟が経験した過去の事件の記憶になりますが、何度かリバイバルするとこの描写が変化していきます。一見恐ろしい描写ですが、終盤にその伏線が回収され、大きな感動を呼びます。私は「おお・・・悟よくやった・・・」と声を出してしまいました。(笑)
②1巻 第2話 「上野は電車一本で行ける」
コチラも序盤に出てくる伏線です。悟が上京した母・佐知子にかける言葉で一見して意味の分からない言動ですが、その後に意味が分かります。子から母への思いが伝わる伏線になっているのです。
③1巻 第4話 「あの男の目を私は知っている」
上京した母・佐知子が買い物の途中、過去の事件の真犯人と思われる人物と目が合ったときの一言。目が合ったということは向こうも佐知子を知っている人物と言うこと。
これが真犯人を読み解く上で重要な要素となります。
以上のように、序盤から伏線に次ぐ伏線。
序盤の何気ない描写が終盤に回収されたりするので、はじめから作者が物語の構成を考えていたということです。恐ろしい構成力ですよね。
皆さんも本作に隠された伏線の数々を探してみてはいかがでしょうか?
アニメ版、映画版、ドラマ版の情報を解説! 結末も違う?
本作はそれぞれのメディア媒体で若干の違いがあります。
今回は、原作の漫画版を軸にそれぞれの違いをまとめていきます!
アニメ版の違い
画像出典:『僕だけがいない街』|『アニメ「僕街」製作委員会』公式サイト
基本的には原作に忠実に作られています。
しかし、ラストシーンで描かれる真犯人の描写が少し異なっています。
これは、原作が未完のまま、原作者から伝えられた結末を基にアニメ版のラストが描かれたためです。
もちろん12話に収める関係で原作から削除されているシーンもあります。
そのため、アニメ版ではラストシーンの印象の違いを楽しめると言えるでしょう。
映画版の違い
本日の朝日新聞朝刊に #僕街 広告が掲載されてまいます👀 ビジュアルは全部で4種!地域ごとに異なります❗️
藤沼悟編は北海道支社版朝刊、片桐愛梨編は大阪本社版朝刊、藤沼佐知子編は西部本社版朝刊、子供編は東京本社版朝刊です! pic.twitter.com/udzwgYoECS— 映画『僕だけがいない街』公式 (@bokumachi_movie) March 13, 2016
コチラではラストにある重要な人物が死亡します。
原作は希望に満ちた読後感ですが、映画版は悲しい結末も含まれているため、大きな賛否が巻き起こりました。
基本的な設定は原作同様のため、全く異なった要素を楽しむことができます。
ドラマ版の違い
画像出典:『Nシリーズ 僕だけがいない街』|Netflix『僕だけがいない街』公式サイト
原作すべてが公開された後に制作されたため、完全に原作を再現していると言えます。
原作ファンも納得の完璧な映像化との呼び声も高いです。
以上、「僕だけがいない街」を紹介していきました。
本作は様々なメディアで描かれ、すべて個性があるので比べてみるのがオススメの楽しみ方ですよ!
皆さんも是非、様々なメディアで鑑賞してみてください!